iDeco改悪は騒ぎすぎ、実際に影響を受けられる人はほとんど居ない

 改悪されたiDecoで運用すべきか悩んでいる人は多いでしょう。今回は、iDeco改悪は騒ぎすぎの口コミ記事を書きます。これで一部のあおりに影響されて損をしてしまうことを避けることができます。

  1. 65歳以降まで同じ会社で働き続けた人のみが今回の改悪の影響を受ける
  2. さらに、同じ会社で65歳まで働いた場合の非課税枠は2480万円。
  3. この金額をiDecoの受取金と退職金で超えないと今回の改悪の影響はない。
目次

iDecoの改悪の中身を正しく理解している人は少ない

 iDecoの改悪が騒がれています。そもそもiDecoの仕組みを理解していない人にとっては、iDecoの受け取り時の税金が多く取られるようになったという理解でしょう。

 間違ってはいないけれど、理解している内容と実際の内容には80%くらいは違いがあると思います。というのも、今回のiDecoの改悪の影響を受けられるほどに退職所得をもらえる人はそれほど居ないと思われるためです。

 今回の改正の場合でも、例えば60歳にiDecoを一時金で受け取り、60歳で定年退職して退職金を受け取るというような人の場合には関係ありません。最短の60歳にiDecoを一時金で受け取る場合でも65歳までは同じ会社で働き続ける人のみが影響があります。

 また、更に65歳まで同じ会社で働いて退職金を受け取った人でも、iDecoと退職金の合計額がそれなりに多い人の見が影響します。次の章で具体的に例で考えてみます。

退職金やiDecoの投資金額が2500万円を超える人はそんなにいるか?

 退職金が多そうな人を考えると同じ会社で働き続けた人です。大学を卒業した22歳で働き始め、65歳まで44年間働き続けたとします。そうした時の退職金は下記の数式を超えない範囲ではすべて非課税になります。44年の場合には800万円+1680万円=2480万円です。

 大企業で働いていれば2000万円程度の退職金があるかもしれませんが、中小企業で働いている人は1000万円程度が良いところで、退職金無しもあり得るでしょう。退職金が無いのであれば今回の改正はあまり影響がなく、中小企業レベルの退職金であれば、iDecoでの資産は約1500万円までは非課税になります。

 40歳から60歳までiDecoを積み立てる場合には20年間の積み立てになりますが、1500万円にするためには1年辺り75万円になります。月辺りで6.25万円。もちろん株のリターンなどを考慮すれば、それよりも低い金額になりますが、NISAにも1800万円を20年程度で投資しようと思えば、年間で90万円の月辺りで7.5万円です。

 そうなると、NISAに加えてiDecoでも税金を意識するくらいに積み立てをしようとすれば、月13.75万円の積み立てを20年間継続して到達するレベル。ほとんどの人にそこまでの入金力があるとは思えず、冷静に考えて、影響を受ける人はほとんどいないのではないかと思います。

 非課税枠を超えたとしても、退職所得は更に1/2で計算するというルールになっているためにお得なので、今回の改悪でiDecoをやるべきではないというのは過剰反応であると思います。

大企業で退職金が多い人が得するルールだった

 今回の改悪は、iDecoを先に受け取って、そのあと5年後に会社の退職金を受け取る場合のみです。この逆のパターンで、先に退職金を受け取って、60歳などでiDecoを受け取る場合ですが、こちらの場合にはそもそも20年間の空きが必要です。

 基本的にはiDecoは60歳から受け取りたいと思うので、そうなると40歳までに退職金を受け取っておく必要がある。一方でiDecoの受け取りを最大の75歳まで後ろ倒した場合、その場合でも55歳までには退職金を受け取っておく必要があります。55歳に退職して、75歳までiDecoの資金を受け取らないなんて意味不明すぎるので、実際のところ、このパターンはあまり考えなくていいことになります。

 こう考えていくと、そもそもiDecoを60歳まで受け取って、65歳まで大企業で働き続けて、大きな退職金をもらえる人だけがiDecoも退職金も非課税で受け取れるルールだったといえるので、その不公平なルールの抜け穴はなくなって良かったとすら思えてしまいます。とりあえず、騒ぎたいだけの人が騒いでいるだけなので、あまり影響を受けないようにしましょう。

 税金に関しては改悪してほしくないのですが、iDecoは今回の改悪よりも、月額上限引き上げの引き上げ改善の方がはるかに影響が大きいと思いますが、なぜかそちらはあまり騒がれないですね

騒ぎすぎに踊らされて損をしてはいけない

 ルールが変わるということであれば変わってしまうと思うので、これを踏まえてやってはいけないことは、iDecoは損をするからやるべきでないと勘違いすることです。

 iDecoは毎月の上限があって、2度と取り戻せず、NISAのように生涯枠も無いので、理解せずに本来はお得なのにiDecoを利用せずに税金的に損してしまうことは避けたいのです。

 iDecoは60歳まで受け取れないので直近であまりお金がない人にはお勧めできません。一方で、直近のお金には特に困っていない人で、かつ給料が650万円を超えていて所得税率が20%になっているような人は、iDecoの節税効果は絶大なので絶対にやるべきです。

 受け取る時に税金が取られるにしても、それ以上にiDecoに投資したときの節税効果が大きいのであればお得だからです。具体的には下記のページで試算しています。実は、iDecoの受け取りは退職控除のある一時金受け取りと年金受け取りの併用が可能で、さらに非課税枠枠を300万円程度は増やせるので、ルールさえ正しく理解できるならば、今回の改悪の影響を受ける人は少ないと思います。

 iDecoは掛け金の非課税がピックアップされがちですが、運用の利益が非課税な点も大きいですし、掛けた時に非課税で受け取り時に課税という、税金の先延ばしというのが、実は最終的なリターンに大きな影響を与える点なども見逃しがちです。

 それでも60歳までは受け取れないというデメリットが気持ち的に大きく、さらにルールも難しすぎて利用率が低いiDecoですが、年収650万円以上の人が仕組みを理解できないから使わないというのは損しすぎるので、頑張って理解をした方が良いです。年収が低くて所得税率が5%の人は、理解する努力に対してリターンが少ないので、スルーでも良いです。

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改悪に過剰反応な情報には踊らされる、冷静に自分の場合の影響を計算して、iDecoの利用がお得な場合には、しっかり活用しましょう

まとめ

 今回は、iDeco改悪は騒ぎすぎについての記事を書きました。ポイントをまとめると下記の通りとなります。

  1. 65歳以降まで同じ会社で働き続けた人のみが今回の改悪の影響を受ける
  2. さらに、同じ会社で65歳まで働いた場合の非課税枠は2480万円。
  3. この金額をiDecoの受取金と退職金で超えないと今回の改悪の影響はない。

 つまり、年収が650万円を超える人にはiDecoへの全力入金がおすすめです。

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