FIRE後に健康保険を安く済ましたい人は多いでしょう。今回は、国民健康保険の支払額を抑える方法の記事を書きます。これでFIRE後の思わぬ出費を抑えることができます。
- 国民健康保険には均等割と所得割がある。
- 所得割は一人当たり43万円の控除以下なら0円になる。
- 均等割りも所得を抑えると最大7割減額できる。
国民健康保険の均等割と所得割
FIRE後の社会保険料関連には国民年金以外に国民健康保険があります。この金額は自治体ごとに異なります。さらに国民健康保険には「均等割」と「所得割」という2種類があります。 均等割りはすべての人が等しく払う分。そして、所得割は収入が高い人ほど多く払う分になります。
下記は一例です。なお国民年金は免除に申請が必要ですが、国民健康保険は全員が住民税の申告をしていれば自動で減額になります。
まず、均等割りの部分です。基礎分と支援金分の合計の約6万円は74歳以下の人は全員払う必要があります。そして、40歳~64歳の人は介護分も支払う必要があります、これを追加すると約7.6万円になります。一人辺りなので、子供が二人いる4人家族の場合で、夫婦が40歳以上であれば7.6万円×2と6万円×2の約27万円が年額で支払いが必要になります。
この年払いをFIRE後は削減したいよねということが、今回の記事の趣旨となります。そのためには所得を抑える必要があります。
均等割額 | 年額 | 備考 |
基礎(医療)分・均等割額 | ¥45,000 | |
支援金分・均等割額 | ¥15,100 | |
介護分・均等割額 | ¥16,200 | 40歳以上 |
合計 | ¥76,300 | 一人当たり |
さらに所得割分です。これに関しては基礎控除の43万円があります。子供の収入が43万円以下であれば0円になります。例えば、4人家族で全員がバランスよく43万円づつの合計172万円の所得の場合でも控除0円になります。介護分も合計すると、所得金額の12%が社会保険料の所得割額だけで持っていかれます。(さらに健康保険だけでも均等割が乗っかってきます)
所得割額 | |
基礎(医療)分保険料 | 加入者全員の旧ただし書き所得*×7.17% |
後期高齢者支援金分保険料 | 加入者全員の旧ただし書き所得*×2.42% |
介護分保険料 | 40歳~64歳の加入者全員の旧ただし書き所得*×2.23% |
※旧ただし書き所得 = 総所得金額等※1 - 住民税基礎控除額(43万円) | (国保加入者ごとに計算します) |
均等割額の軽減
所得割は所得がなければ支払う必要がありません。一方で均等割は無収入でも支払う必要がありますが、国民年金と同じく例外が存在します。著しく所得が少ない場合には全額免除ではないのですが、減額があるのです。具体的には下記の基準で減額されます。
4人家族の場合には家族全員の合計が基準になります。さらにこの金額の算定は基礎控除後の金額ではなく、基礎控除適用前の家族の合計額なのでなかなかハードルは高いです。給料に適用される55万円の給料所得控除は使えるので、給料が年間55万円以下であれば、その分は0円で計算になります。
均等割額の軽減(総所得金額等の合計) |
7割減額 |
43万円以下+10万円×(一定の給与所得者等の数-1) |
5割減額 |
43万円+29万円×国保加入者および旧国保加入者数+10万円×(一定の給与所得者等の数-1) |
2割減額 |
43万円+53.5万円×国保加入者および旧国保加入者数+10万円×(一定の給与所得者等の数-1) |
※一定の給与所得者等=給与収入が55万円を超える方または、公的年金等の収入が60万円を超える方 |
健康保険料の減額の効果は大きい
計算式だけ出てきても意味不明なので、実際に計算してみました。一定の給与所得者等については、いると税金的に効率的ではないので、一人も居ない前提での計算です。下記の金額よりも家族の合計所得が少なければ、減額されます。
7割減額は家族の人数が増えても基準判定額が上がりません。だから、家族が多い人は5割減額が限界でしょう。
判定に使う世帯所得合計額
独身 | 夫婦 | 3人家族 | 4人家族 | 5人家族 | |
7割減額 | 43万円 | 43万円 | 43万円 | 43万円 | 43万円 |
5割減額 | 72万円 | 101万円 | 130万円 | 159万円 | 188万円 |
2割減額 | 96.5万円 | 150万円 | 203.5万円 | 257万円 | 310.5万円 |
40歳から介護保険料が増えるので、40歳未満と40歳以上で支払う健康保険料は下記の通りになります。所得なし前提で所得割は含まず、均等割りの部分だけの金額です。それでも4人家族なら下記の金額の4倍となるので、けっこうな金額です。
一人当たりの健康保険支払年額(それぞれ支払う)
40歳未満 | 40歳以上 | |
7割減額 | 18,030円 | 22,890円 |
5割減額 | 30,050円 | 38,150円 |
2割減額 | 48,080円 | 61,040円 |
減額なし | 60,100円 | 76,300円 |
さすがに4人家族などで合計43万円以下というのは難しそうですが、4人家族の場合に約27万円の国民健康保険料の年額が約8万円にまで減額されますので効果は絶大です。さすがにそこは無理として、5割減額であっても約13.5万円です。毎年この金額がかかるので、効果は絶大です。2割減額場合には約22万円です。
家族の合計所得を43万円×4の172万円にすると均等割りのみだけど2割減額。一方で家族の合計所得を159万円にすると5割減額。所得の差は13万円で、これが配当と仮定して源泉徴収税が20%と取られると2.6万円の税金。一方で国民健康保険の金額は22万円から13.5万円になり、健康保険料が8.5万円減額されます。つまり、家族の合計所得を159万円にして、健康保険料の5割減額を目指すのはありです。
まとめ
今回は、国民健康保険の支払額を抑える方法についての記事を書きました。ポイントをまとめると下記の通りとなります。
- 国民健康保険には均等割と所得割がある。
- 所得割は一人当たり43万円の控除以下なら0円になる。
- 均等割りも所得を抑えると最大7割減額できる。
つまり、FIRE後の出費を抑えるには均等割の減額がおすすめです。そのため、家族の合計所得額を159万会陰いかに抑えましょう!
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