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政府の陰謀iDeco加入すべきか判断ポイント令和7年税制大綱

 改善が続くiDecoに投資したい人は多いでしょう。今回は、iDecoに加入すべきか判断ポイントと向いている人の口コミ記事を書きます。これで政府の狙いも含めて投資判断することができます。

iDecoに向いている人
①40歳までに転職などして退職金をある程度受け取り済みや退職金のない会社で働いている人
②年収で言うと700万円以上の比較的高収入の人
③60歳になるまでの年数が少ない人(40歳以降)

令和7年度の税制大綱の中でiDecoに関しては改善と改悪が入り混じっていました。

目次

iDecoやNISAは政府の陰謀なのか?

 iDecoやNISAは政府の陰謀だからやらない

 というような意見を見たことがあるのですが、どのような陰謀であるか理解せずに「やらない」と決めるのは危険です。陰謀というべきなのかはさておき、政府には当然の狙いがあります。多くの場合には結局のところ税収を上げたいということになるのですが、iDecoやNISAにおいてはどう考えても節税になります。

 なら、良かった。と言いたいところですが、節税になるようなことを政府がなぜやっているのかということを考える必要があります。

 国民年金や厚生年金では足りないからiDecoで投資してね

 ということになります。これだけお得な制度を用意して、それを利用しない判断をしたのだから、それを利用しない人の生活が苦しくなるのは仕方がないとも聞こえます。

 iDecoやNISAに投資しない人が老後貧困になっても知らない

 (高齢者全員の豊かな生活を国でサポートするのは無理)というのが政府の陰謀?という部分でしょう。少子高齢化が進み続ける状況で、今の年金の生活レベルよりも今後は年金だけでは更に苦しい生活になることは必至です。iDecoの方は特に複雑怪奇で難しいですが、理解して最大限活用しましょう。

 iDecoとNISAの2つの制度を用意している意味を考えてほしい

 NISAだけやっていればOK、iDecoだけやっていればOKなのであれば、片方の制度だけ整備すれば良い。しかし、税金アップが大好きな政府が投資の非課税制度をわざわざ2つ用意している。運よく年金の金額が減らなかったとしても支給開始年齢の後ろ倒しや物価の高騰に対する年金額の相対価値は減っていく。iDecoとNISAの両方にしっかり投資してようやく、安心した老後の生活が迎えられると解釈もできます。

皆やらないから改善されるiDecoを基本をおさらい

 今年の税制大綱でも改善があるiDecoですが、①投資の利益に税金がかからず、②投資した金額分が給料の税金から引かれる、というメリットがある一方で③受け取り時には税金が発生するというデメリットもある。さらに、④受け取り時の税金には一定の日が税枠があるという非常に難解な制度です。

 結論はよくわからないから手を出すべきではない。結局のところ、2割程度の人しかやっていないということになっています。今は金額も少ないのであまり気にしなくても良いのですが、枠が大きくなるのであれば正しく理解して、使えるものは使いたいところです。

①投資の利益に税金がかからない
②投資した金額分が給料の税金から引かれる
③受け取り時には税金が発生する
④受け取り時の税金には一定の非課税枠がある

 なお、iDecoはNISAと違って年金ですので下記の制限があります。

60歳以降でないと、原則受け取れない。

①投資の利益に税金がかからない

 この投資の利益に税金がかからない点ですが、これはNISAと同様です。100万円の株を株を買って、それが数年後に200万円まで増えたとします。この時の株による利益は100万円です。そして、通常はここから20%である20万円が税金として取られます。しかし、iDecoやNISAで投資した場合には、その税金が取られません。

 投資で利益が出た場合には税金が取られる。しかし、投資で損失が出た場合には税金が減額されることはありません。それでも投資を行う人が多いのは、投資が基本的にはプラスになる可能性が高いからでしょう。そのため、利益に税金が発生しないiDecoとNISAはお得と言えます。そういいながらもiDecoは受け取り時には別の税金が発生するので、非課税感は減ってしまいます。

 このメリットは投資のリターンがどの程度出たかで変わります。

②投資金額の分が給料にかかるはずだった税金から引かれる

 iDecoがNISAより優れている点はここにあります。iDecoに月2.3万円=年間27.6万円を投資しているとします。そうすると自分の年収によって所得税率が下記の通りになっていて、税率が5%の人であれば、年間1.38万円の節税ですが、税率が20%の人であれば年間5.52万円の節税になります。

 これは、資産運用の結果とは関係なく、確実に減税が実施される金額になります。これこそがiDeco最大のメリットです。さらに月額が6.2万円まで拡大、年間74.4万円の掛け金を掛けられるようになると、税率20%の人であれば年額で14.88万円の節税になりますので、非常に大きな効果を発揮します。

 そもそも給料に税金がかからない人には関係ありません。

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③受け取り時には税金が発生する

 ①の非課税メリットは変わらないのですが、②の非課税メリットはこの③の課税によって大きく減ってしまいます。掛け金を掛けた時は非課税になるけれど、結局は受け取る時に課税される。つまり、税金の先送りでしかないといえるからです。

税率自体も所得税には違いないので変わらないのですが、退職所得というのは下記の2点で優遇されています。一つ目が退職所得控除がある点、二つ目が所得の半分しか課税の対象にならない点です。とはいえ、退職金の金額が大きすぎて税率の方が大きくなってしまうと、普通に月額受け取りした時の方が税率が低いとなるとお得とは言えません。

積立時の税率よりも受取時の税率が低ければ、先延ばしではなく減税と言えます

 そこで、注目すべきが退職所得控除という部分になります。次の章で説明します。

④受け取り時の税金には一定の非課税枠がある

 退職所得控除の枠は下記のとおりです。20年以下の勤続年数×40万円。一方でそれを超えた場合には1年辺り70万円の非課税枠です。22歳で働き始めて38年間同じ会社で働いた場合には800万円+70万円*18年=2060万円の非課税枠。一方で、転職などして20年間の金属だった場合には800万円です。

 大きな差ではあるけれども、どちらも大きな非課税枠と言えます。投資元本ではなく受け取り時の株式の評価額になるので、年間27.6万円の投資に利益が出て1年辺りの評価金額が40万円までに収まっていれば、すべて非課税枠で処理できてしまう。iDecoは支払った時も受け取る時も非課税となるわけです。

 しかし、退職金がない人であればその通りではあるのですが、退職金がある人の場合にはiDecoの最終評価額の合計が退職所得控除の枠に収まっていない場合には課税対象となります。

退職金が多い(約800万円以上)の場合、iDecoであまり退職所得控除が使えなくなるため損する

 なお、令和7年度の税制大綱の中で21年以上の退職所得控除が増加する仕組みについての指摘があり、20年超でも勤続年数×40万円の退職所得控除に変更される可能性が濃厚です。

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iDecoに自分が投資すべきなのかの判断ポイント

 課税対処になった場合には、下記の所得税率と1/2計算がポイントになります。iDecoの支払い時に税率が5%であるか、10%であるか、20%であるかという部分もiDecoに投資すべきかの判断ポイントになります。

 iDeco支払い時の税率が5%出会った場合、ここから頑張ってiDecoを積み立てて、受け取り時に退職所得控除を除いた退職所得金額が330万円を超えていた場合。この場合には、退職所得が半分の計算になったとしても受け取り時20%の税率の半分の10%は、積立時の税率5%よりも税率が高く、結果として、多くの税金を払うことになります。

具体例で考えてみる

 iDeco枠拡大後の「年間74.4万円」を20年間積み立てる。これを年利5%で積み立て続けると20年後には2460万円になります。この時の退職所得控除は、800万円なので課税対象は1660万円です。ここから課税所得を半額に変えるルールを適用します。そうすると課税対象額は830万円になります。

 830万円時の所得税率は23%。控除額があるので830万円に対する所得税は平均で15%程度になります。一方で積立時の税率に関しては、課税対象の上の部分の税率から税金が減っていくので、所得税が税率20%以上の人であれば、それでもお得と言えます。一方で、所得税率が10%程度の人であれば、税率は受け取り時の方が多くなって損と言えます。退職所得控除の部分があるので、そこも合わせると所得税率が10%の人はプラスにはなると思います。

 これは「年間74.4万円」を積み立てた場合の話で、現在の上限である「年間27.6万円」を20年間年利5%で運用した場合には20年後には912万円になります。退職所得控除が800万円であれば、残りは112万円。これを半分にした56万円が課税対象の退職所得になり、税率は5%。多くの部分が非課税で扱われます。

iDeco積立時の所得税率が低い場合、iDeco受け取り時の所得税率の方が高くなる可能性があり損する

税引きされる前の収入で投資ができる

 iDecoの気が付かれにくいメリットは、税引きされる前の収入で投資ができることです。受け取り時に同じ税率であっても、この部分によって、利益が生まれます。

 具体的に言うと、「年間27.6万円」の投資をする場合に5%の運用で20年後に912万円になります。一方で、これを普通に投資する場合には所得税20%と住民税10%、本来は他にも社会保険料などが取られますが簡易的に所得税と住民税だけを考えて受け取れる手取りが27.6万円の30%引きの19.32万円。これを5%の運用で20年間積み立てると639万円になります。

 その差額は驚異の273万円であり、上記の通りで退職所得は退職所得控除も退職所得の金額を1/2にする特別ルールもあるので、この収入の課税前のお金で投資することによるメリットがもしも、退職所得による税率アップがあった場合を凌駕ます。

税金が引かれる前の収入を投資に充てられることのメリットは想像以上に大きい

iDecoは一時金受け取りと分割受け取りを選べる

 iDecoは一時金の方が退職所得控除と半額計算ルールのためにお得ではあるのですが、退職金が多い場合は年金受け取りということもできます。これは60歳から75歳の間に開始、5年以上20年以下で分割できます。年金は基本的には65歳から受け取るとすると、60歳~65歳になるまでの5年間は年金はないけれど、下記のような年金所得控除がある機関が存在します。

65歳以降もiDecoを受け取ると国民年金や厚生年金と合算で税金が増えるのでお得ではありません。

 65歳未満の期間になるので金額としては年額60万円です。これが5年分ということなので、合計300万円の年金受け取りによる非課税枠があるといえます。一時金受け取りと年金受け取りの両方を使うことで非課税枠を増やすことができるということです。

一時金受け取りと年金受け取りの両方を使うことで、非課税枠を増やすことができる

 退職金が多いとiDecoのお得度が減ることから、そこをタイミングを分けて上手くやれないかと考えたくなるところですが、次の章で説明する通りに対策されていて、中々難しいです。

複雑すぎるiDecoの退職所得控除の取り扱い

 退職金とiDecoの受け取りですが、複数の退職所得控除を適用する場合の特別な説明があります。①が5年ルール、②が20年ルールと言われていたりしますが、ざっくりで言うとiDecoと退職金のタイミングをずらしても、退職所得控除を両方で使うのは難しいということです。

iDecoを60歳で受け取り、退職金を65歳で受け取れば退職所得控除を2回使える。
→iDecoを60歳で受け取り、退職金を65歳よりも前に受け取ると、退職金の方で退職所得控除が使えない。
 (会社が退職金を65歳まで後ろ倒ししてくれる会社でないと難しい)
②退職金を受け取ってから、iDecoを19年以内に受け取ると、iDecoで退職所得控除が使えない。
iDecoを60歳で受け取る場合、41歳以降で退職金を受け取るとiDecoで退職所得控除が使えない。

iDecoを60歳で受け取り、退職金を65歳で受け取れば退職所得控除を2回使える。
→iDecoを60歳で受け取り、退職金を65歳よりも前に受け取ると、退職金の方で退職所得控除が使えない。
 (会社が退職金を65歳まで後ろ倒ししてくれる会社でないと難しい)

この部分ですが5年から10年に変更されます。5年ルールから10年ルールへの改悪です。
①iDecoを60歳で受け取り、退職金を70歳で受け取れば退職所得控除を2回使える。
iDecoを最短の60歳で受け取り、退職金受け取りの場合70歳まで働き続けて退職金を先延ばしにしないといけないという非現実的な選択肢になりました。

自由民主党
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会社との調整及び70歳までの勤続必要があり、退職所得控除を2回使うという方法は諦めた方が良いです。
退職金とiDecoで2回の退職所得控除を使うことは想定されてないため、改悪でなくなる可能性が高いです。

iDecoをやるべきなのかの判断ポイント

 以上の情報をまとめると、iDecoをやるべきなのかの判断ポイントは下記の通りになります。

収入が多いか少ないか

 所得税率が高いか低いかが判断ポイントになります。所得税率が5%の人であれば正直微妙だが金額を年額20~30万円程度に抑えてやる分にはいい。所得税率が10%の人であれば、税引き前の収入が投資できることも含めて、満額をやっても良い。所得税率が20%以上の人は、是非iDecoをやるべし。iDecoの掛け金を税率20%になるまでは抑えつつ、税率が20%を超えたら満額など、金額の変更で工夫すると最もお得になるでしょう。

 専業主婦などのそもそも収入がないという人は、iDecoをやるメリットありません。資産が膨大で投資の非課税枠が増やしたいのであれば多少のメリットはありますが、積立時の所得税の非課税メリットがなく、受取時に所得課税される可能性があります。

退職金が多いか少ないか

 収入は多い人の方がiDecoをやるべきでしたが、退職金に関しては逆です。退職金が多い人ほどiDecoはお得ではなくなります。そのため、退職金で1000万円を超えるような人は退職所得控除があまり使えないのでお得度は大幅に下がります。一方で、退職金が無いorあまり多くない会社に勤めている人には非常に有用な制度です。

現在の年齢

 iDecoは年金です。そのため、60歳まで受け取れません。そのため、60歳に近い人はすぐに受け取れますが、若い人ほどデメリットは大きくなります。ただし、iDeCoは加入期間が勤続年数になるため、会社を転職してもiDecoに長く加入すれば受け取る際の非課税枠が大きくなります。そう考えると、資金拘束されるので若いうちは投資金額は抑えて、年齢が上がり、所得税率が上がったところで掛け金を増やすというのが対策になります。

iDecoに向いている人

 iDecoに加入すべきかの結論は加入すべきとなります。特にiDecoに向いている人は下記の通りになります。

iDecoに向いている人
①40歳までに転職などして退職金をある程度受け取り済みや退職金のない会社で働いている人
②年収で言うと700万円以上の比較的高収入の人
③60歳になるまでの年数が少ない人(40歳以降)

iDecoを最大限に活用する戦略

 最後に以上の情報を踏まえて、具体的にいくらのiDeco投資を行うべきかの数値を出していきたいと思います。前提条件がないと試算できないので、下記の前提を入れています。いずれにしても、人それぞれで退職金の金額と所得税率が変わってくるので個々に計算は必要です。

前提
①一時金受け取りと年金受け取りの両方を利用する
②国民年金や厚生年金は65歳から受け取る(iDecoと非課税枠を取り合わない)

受け取り時に非課税となるライン

 まず、国民年金や厚生年金の受け取りは基本の65歳から受け取りとします。そして、iDecoは「一時金受け取り」と「年金受け取り」の両方を活用します。これが、iDecoの非課税枠を最大限に利用できる組み合わせです。

 まず、一時金受け取りの方の非課税となるライン。これは税制大綱による変更後の内容をもとに「iDecoの加入年数×40万円」で計算します。(最後の会社での勤続年数の方が多い場合は、iDecoの加入年数ではなく勤続年数です。)

 次に、年金受け取りのの方の非課税となるライン。これは60歳から65歳になって国民年金や厚生年金の受け取りが始まるまでの5年間は公的年金等控除の60万円を利用する。つまり、合計300万円です。

基礎控除も利用できる
60歳から65歳までの間に他に一切の収入がない場合、または配当や株式などの利益があっても確定申告しない場合は、今年の税制大綱で年間58万円に拡大される基礎控除も非課税枠として利用できます。
これで更に合計290万円の所得税の非課税枠が追加できます。(住民税の方は合計215万円)

 ただし、退職金があれば、退職所得控除はその分だけ減ってしまうので最後に退職金の合計額を引きます

iDeco非課税枠 = iDecoの加入年数×40万円 + 300万円 - 退職金額

 具体例で言うと、iDecoに20年加入して退職金が500万円程度である場合、20年×40万円+300万円-500万円となりますので、600万円がiDecoの非課税枠となります。iDecoで株式投資などをするとリターンが合って計算しづらいので金利がほぼない普通預金ベースで考えた時、600万円を20年間なので1年辺り30万円。月額で2.5万円をiDecoに投資するのが正解になります。

 先ほどの基礎控除は上記の式には加算していません。株や配当の利益で基礎控除を使うことを考慮しない場合には、20年×40万円+300万円+215万円(所得が低い場合は住民税の税率の方が高いので住民税の方を採用)-500万円に変わり、815万円がiDecoの非課税枠となります。815万円を20年間なので1年辺り40.75万円。月額で3.4万円をiDecoに投資するのが正解になります。

受け取り時に税率5%となるライン

 完全に非課税を目指すのであれば上記の通りなのですが、同じ税率であれば税金は先送りできる方が投資リターンが得られるので良いと考えると、iDecoの積立時の最低所得税率である5%と同じ退職所得及び年金所得の税率5%までは、iDecoに投資した方が良いことになります。(所得税非課税の人はiDecoをやらなくていいです)

 一時金受け取りの方の税率5%となるライン。これは税制大綱による変更後の内容をもとに「iDecoの加入年数×40万円」で計算。(最後の会社での勤続年数の方が多い場合は、iDecoの加入年数ではなく勤続年数です。)

 更に所得税率5%となる所得195万円を足す・・・と言いたいところですが、退職金の一時金受け取りでは更に所得を1/2にするというルールがあるので195万円の2倍の390万円までは税率5%になります。そのため、上記の金額にこれを加算します。

 次に、年金受け取りのの方の税率5%となるライン。これも上記の所得税率の表を参考にはするのですが、さらに公的年金等控除もあるので、複雑です。下記の表の控除を引いた後の金額が195万円になる金額までです。65歳未満で130万円以上410万円未満の「収入金額×75%-27.5万円」が計算式になります。年金が296万円の時に課税所得は194.5万円になります。1年でこの金額ですので5年だと1480万円になります。

 この場合も退職金との合計額になりますので、退職金の金額は差し引きます。これを計算式にすると下記の式になります。

iDeco所得税率5% = iDecoの加入年数×40万円 + 390万円 + 1480万円 - 退職金額

 具体例で言うと、iDecoに20年加入して退職金が500万円程度である場合、20年×40万円+390万円+1480万円-500万円となりますので、2170万円がiDecoの5%課税枠となります。iDecoで株式投資などをするとリターンが合って計算しづらいので金利がほぼない普通預金ベースで考えた時、2170万円を20年間なので1年辺り108.5万円。月額で約9万円をiDecoに投資するのが正解になります。これは、iDeco積立額の最大値の月額6.2万円を超えています。

 もちろん、退職金が非常に多い場合や、投資によるリターンが非常に多い場合には所得税率が10%になってしまうこともあるかもしれません。

【超重要】所得税や住民税より重い社会保険料
iDecoの金額が多い場合には社会保険料に注意が必要です。
60歳以降は国民年金はありませんが、国民健康保険の支払いが必要です。
その収入比例の部分の金額は「旧ただし書き所得×13.85%」で、旧ただし書き所得は下記の通りです。
旧ただし書き所得 = 総所得金額等(iDeco年額ー公的年金等控除) - 住民税基礎控除額(43万円)

これを考慮すると、社会保険料を上げないためには公的年金等控除60万円と住民税基礎控除額43万円の合計年額103万円。5年間で515万円

上記の具体例をこれで計算しなおすと、20年×40万円+390万円+515万円-500万円=「1205万円
この金額がiDecoの5%課税枠で、20年間の想定だったので1年辺り60.25万円。月額で約5万円が正解になります。もちろん、株式投資のリターンを想定するとその分は少ない投資額を投資する必要があります。

また、退職金が0円と考えた時にこの時のiDecoの5%課税枠は1705万円です。20年間の想定で1年辺り85.25万円。月額で約7.1万円になります。投資元本に株式投資リターンの追加も考慮する必要があります。

さらに住民税の基礎控除の利用も考えると+215万円(合計1920万円)になりますので、20年間の想定で1年辺り96万円。月額8万円が上限となりますので、そのため、株式のリターンを考えても改定後の最大値である月額6.2万円で良いことになります。

いずれにしても、iDecoはルール変更もあるので自分が55歳くらいになったときにその時のルールと自分の状況(労働状況・収入状況・iDecoの利益)を考えて掛け金を減額するなどの調整をするといいと思います。

結論

 結論としては、iDecoは積み立て時に所得税が5%でも発生している人であれば基本的に資金に余力があれば全力でiDecoに投資してしまって良いということになります。

 積立時に非課税になっても、受取時に課税されてしまっては意味がないということは言われますが、もし非課税枠を超えてしまっても積立時と受取時では受取時の方が税率が低い可能性が高いので、積立時の非課税の恩恵は絶大です。もちろん、積立額が多い人は年金受け取りと一時金受け取りの両方を活用して、最大限の非課税枠と税率ダウンを行う人は必須です。

 さらに、積立時と受取時で課税されるタイミングが先延ばしされ、その先延ばしされた分を投資に回して複利で運用した場合のリターンも絶大です。投資によるリターンが非課税になるという部分もありますが、所得税だけではなく住民税の分も積立時に税制優遇されるということで、所得税率が5%であっても住民税は10%で合計15%にはなります。

 年収が高めで、働いているときにはiDecoで最大限を積み立てる。一方で60歳未満で引退した後は掛け金を最小限にしてiDeco加入年数を稼ぐ。このような行動が可能であるFIREを実現した人には特に投資金額に対する非課税枠が大きくなり、積立時も受取時も完全に非課税となります。つまり、60歳までお金は拘束されるものの完全なFIREを実現できる人には最高の投資方法と言えます。

まとめ

 今回は、iDecoに加入すべきか判断ポイントと向いている人についての記事を書きました。ポイントをまとめると下記の通りとなります。

iDecoに向いている人
①40歳までに転職などして退職金をある程度受け取り済みや退職金のない会社で働いている人
②年収で言うと700万円以上の比較的高収入の人
③60歳になるまでの年数が少ない人(40歳以降)

 つまり、老後に苦しい生活を避けるにはiDecoのお得大限の活用がおすすめです。

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