億り人に到達したい人は多いでしょう。今回は、低コスト投資信託では億り人はほぼ居ない理由の記事を書きます。これで今後の資産形成の方針を決定することができます。
- そもそも低コスト投資信託の歴史は浅い
- 最近の低コスト投信のリターンは高いものの、多くの人の投資期間はせいぜい3年程度
- しかし、今後も投資を続けることで資産形成が実現できる可能性は高い
低コスト投資信託のみで億り人はほぼ居ない
理屈的にはオルカンなどの低コスト投資信託の積み立てで資産形成が実現できるとは思います。しかし、実際に投資信託で億り人を実現したような人はほぼ居ないのが実情です。
この理由はいたってシンプルで、低コストの投資信託の歴史はそこまで長くないからです。日本の投資信託というものは、結構な手数料を取ることを前提に設定されて来たからです。eMixis slimの前身で、今は窓口商品ともいわれるeMaxisなどは全世界で信託報酬0.66%。今では高いと言われますが、当時は低コスト投資信託として登場しました。
だから、正直、投資信託で無駄に信託報酬を高く払う人は割と情報弱者な時代でした。一方で、今はeMaxis slimシリーズなどように信託報酬0.1%未満と、異常な低コストも登場し、情報強者の投資先になっています。しかし、このeMaxis slimシリーズは登場したのが2018年と割と最近です。5,6年程度しかたっていません。
しかも、上記のチャートを見るように投資の積み上がりが本格的に大きくなったのは、2024年からで、多く見積もっても2021年からがまともに資産が増えていった投資信託です。
低コスト投資信託の投資期間はせいぜい3年程度
これら低コスト投資信託で資産形成をした人を考えてみると投資期間3年程度ということになります。だから、それまでに他の投資手法で資産形成が進んでいた人は別として、低コスト投資信託のみで資産形成をした人はほぼいないと言えるのです。
それまでに形成をしてこなかった人が、投資を始めて、頑張って月額30万程度を積み上げていったとします。これを3年続けると、元本の合計としては、年間360万円×3年で1,080万円。それらをeMaxis slimに3年間投資していたとすると、3年間のリターンが年率19%程度だったので、ざっくり下記のようになります。
年数 | 年間投資額 | 年末資産額 | 計算 |
---|---|---|---|
1年目 | 360万円 | 394万円 | 180万円*1.19+180万円 |
2年目 | 360万円 | 863万円 | (394万円+180万円)*1.19+180万円 |
3年目 | 360万円 | 1422万円 | (1422万円+180万円)*1.19+180万円 |
投資した年の資産は平均して半分がリターンの対象になるという前提での計算です。
投資資金1080万円が1422万円になっており、3年間で342万円のリターンと十分大きなリターンであるのですが、さすがに低コスト投信だけで資産が爆増したという資産額ではないでしょう。
やはり投資で大事なことは原資と投資期間
つまり、現時点では低コスト投資信託だけで資産形成に成功したという人は居なくて、理屈的には今後に資産形成ができるという話です。
最近の株式は出来すぎているので計算に使うには過剰すぎますが、年率19%が延々と続くとして、10年目にまで達するとすごいことにはなります。
年数 | 年間投資額 | 年末資産額 | 計算 |
---|---|---|---|
1年目 | 360万円 | 394万円 | 180万円*1.19+180万円 |
2年目 | 360万円 | 863万円 | (394万円+180万円)*1.19+180万円 |
3年目(2024年) | 360万円 | 1422万円 | (1422万円+180万円)*1.19+180万円 |
4年目 | 360万円 | 2086万円 | 以下、略 |
5年目 | 360万円 | 2876万円 | |
6年目 | 360万円 | 3817万円 | |
7年目 | 360万円 | 4936万円 | |
8年目 | 360万円 | 6269万円 | |
9年目 | 360万円 | 7854万円 | |
10年目 | 360万円 | 9740万円 |
投資期間が10年間と比較的伸びてきていることと、やはり原資360万円を早いうちから10年間出し続けれたことがあるでしょう。投資期間が長くても、最初のころに投資元本が少ないことには増えないのです。
投資は、早く始めることと、長く続けると。これが大事ですが、初期の投資元本が少ないことには意味がないので、投資初期は収入アップと節約で、多少の我慢はしてでも、できる限り多くの投資資本を投下できるようにすることが資産形成には重要にになります。
資産形成で1憶円を達成した場合には、もはや投資元本を投下しなくても勝手に増えていく。年率19%であれば、1億円の資産が1900万円を生み出すわけです。ここまでくると360万円の資産投下をせずに、その分を自由に使ってもお金は延々と増え続けます。
まとめ
今回は、低コスト投資信託では億り人はほぼ居ない理由についての記事を書きました。ポイントをまとめると下記の通りとなります。
- そもそも低コスト投資信託の歴史は浅い
- 最近の低コスト投信のリターンは高いものの、多くの人の投資期間はせいぜい3年程度
- しかし、今後も投資を続けることで資産形成は実現できる可能性は高い
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