[令和6年度税制改正の最適解]所得税の住民税の上場株式等の配当所得等に係る課税方式の統一

配当の所得税と住民税の課税方法が統一が気になる人は多いのではないでしょうか?
そこで今回は、最適な課税申請についての記事を書かせていただきます。
皆様のご参考になれば幸いです。

目次

配当金の所得税と住民税の課税方法が統一されます

配当金所得税と住民税の申告方式ですが、令和6年度から一本化されます。
これに影響するのは配当金の税金です。
多くの場合に「所得税は総合課税、住民税は申告不要」が正解でした。

しかし、一本化されるという事は「所得税が総合課税なら、住民税も総合課税」となります。
所得税と住民税でお得な方を選ぶという手段が取れなくなるのです。
そこで、悩みになるのが共通化された後で「総合課税と申告不要」のどっちを選ぶかです。

申告不要の方は、20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)。
これは変わりません。
一方で総合課税の方は少し複雑です。

総合所得の場合の住民税と所得税

総合課税の住民税は割とシンプルです。
住民税は収入連動金額(所得割)は10%で、配当控除が2.8%。
差し引き7.2%が配当の総合課税の住民税率になります。
(申告不要が5%なので総合課税にすると2.2%が余分に税金を取られます)

所得税に関しては、基本ルールが下記の通りです。
配当控除があるので、それを考慮した税率も記載します。
この税率が申告不要の15.315%よりも低ければ所得税としてはお得になります。

課税される所得金額
税率
配当控除後住民税増考慮
控除額
195万円以下
5%
0%2.2%
0円
195万円を超え 330万円以下
10%
0%2.2%
97,500
330万円を超え 695万円以下
20%
10%12.2%
427,500
695万円を超え 900万円以下
23%
13%15.2%
636,000
900万円を超え 1,800万円以下
33%
23%25.2%
1,536,000
1,800万円を超え 4,000万円以下
40%
30%32.2%
2,796,000
4,000万円超
45%
35%37.2%
4,796,000

住民税だけではなく、所得割課税額の増加にも注意

上記の表を見ると900万円以下であれば、所得税としてはお得になります。
しかし、総合課税にすると住民税が2.2%増えるので考慮すると、住民税増考慮と比較になります。
現時点は復興特別所得税込みで15.315%、900万以下は15.2%なのでお得は変わらない。

一方、復興特別所得税がなければ15%、695万円を超え900万円以下の場合には総合課税は損
難しいですが、今のところは課税所得900万以下であれば両方とも総合課税で良いという結論です。
が、さらに注意すべき点があります。

住民税を総合課税にしてしまうと、住民税の所得割課税額が増えてしまうのです。
これが影響するのは、保育料(3歳未満)と児童手当(中学生まで)と高等学校等就学支援金制度です。
給料と配当金、控除を計算した所得金額が下記の金額を超えるようであれば、児童手当が減額。
(住民税と所得税で基礎控除が住民税の方が5万円少ないので、その点も注意)

児童手当の所得制限

扶養親族等の数所得制限額
0人6,300,000円
1人6,680,000円
2人7,060,000円

住民税の所得割を抑える具体的な方法

給料と配当金で課税所得が増えてしまう問題の対策を考えましょう。
まず、基礎控除や社会保険料控除は対策しようがないので除外。
さらにふるさと納税による寄付控除も課税所得を減らす効果はないので除外です。

生命保険控除もありますが、住民税の控除は最大でも2.8万円なので保険料を考えると損です。
医療控除も年間10万円以上の支払いが前提なので、狙うべきではありません。
となると、サラリーマンには小規模企業共済等掛金控除くらいしか現実的な手はありません。

これはつまり、企業型確定拠出年金やiDeCoなどです。
企業型だと月5.5万なので年間で66万、iDeCoでも月2.3万なので年間で27.6万。
これだけ大きな所得割を減らせる方法はサラリーマンには他にありません。

控除ではないもう一つの手がNISAです。
新しいNISAでは最大2400万円の投資分が非課税枠で、この配当金は所得割の対象外。
年率4%の配当株を持っていたとして、2400万円なら年額96万が非課税の配当金。
(新NISA新設から5年かかる)

給料や配当金が圧倒的に大きい人はどうしようもないのですが、確定拠出年金やNISAで合計150万。
これだけの住民税の所得割課税額を減額で、児童手当の対象外を免れやすくなります
来年の令和5年度の確定申告までは所得税は総合課税、住民税は申告不要ですがその後は計算が大変。

まとめ

今回は、「最適な課税申請」についての記事を書かせていただきました。
今回の記事のポイントをまとめると下記の通りとなります。

①課税方法が統一されても所得900万以下なら総合課税(所得695万以下でないと得はほぼ無い)
②住民税の所得割が増えるので、子育て中の人は注意点が多い
③住民税の所得割は、確定拠出年金とNISAで対策(ふるさと納税はダメ)

つまり、申告方法に悩んだ場合には申告不要を選んでおくが無難です。
そのため、確定申告で株式の申告はスキップするようにしましょう!

配当金の税金に興味がある人は、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。

[日本高配当株投資]株式を買うか投資信託を買うかの結論を配当控除やその他の理由から考えてみた
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