子供に教育ではなく資産を引き継がないと詰む時代が来る

 インフレによる物価上昇で困っている人は多いでしょう。今回は、子供には教育ではなく資産を引き継がないと詰むの記事を書きます。これで子供の教育について改めて考え直すことができます。

  1. インフレの時代は貧富の差が拡大する時代
  2. 日本の平和が続く限り、貧富の差は相続される
  3. 今の私たちの小さな努力が、子供にとっての大きな結果をもたらす可能性がある
目次

デフレ脱却が貧富の格差を拡大させる

 近年はインフレ基調になり、長期のデフレを脱却しました。値下げであるデフレは悪いものとして捉えられてきました。デフレ環境では経済が成長せず、給料が上がらないからだと言われています。一方でインフレであれば、モノの値段が上がります。

 ここで重要となるのが、実質賃金というものです。これはモノの値上がりと給料アップを比較して、結局は相対的に給料は上がったのか?ということです。近年はモノの値上がりはしているものの、2024年9月以外は実質賃金はマイナスという状況です。

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 モノの値段が上がったからと言って、給料を上げることはしないのが株式会社というものです。会社は株主の利益を最大にするために活動します。その結果、インフレは貧富の差を拡大させます。

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二極化の上の層は資産収益が収入のメインである層

 特に中流家庭といわれる層が貧困化していくことで、二極化が進みます。多くの家庭の収入源は給料であり、これが物価の上昇に追い付いていないので、この中間層は当然ながら生活が苦しくなります。

 一方で、インフレによりモノの値段が上がり、株式会社の売り上げは上がり、それ以上に利益が上がります。これらは株主に還元されていきます。つまり、二極化の上と下は、株式や不動産などの資産収益が収入のメインである層が上、給料が収入のメインである層が下になります。

 これは、有名なピケティ「21世紀の資本論」で述べられている通り、上位1%の富裕層に富が集中します。そこで、少しでも貧困化しないためには、対策が必要です。結論としては、素直に株式や不動産などの資本収益を増やそうということです。

東京財団政策研究所
ピケティ「21世紀の資本論」が指摘したこと-なぜ1%への富の集中が加速するのか- | 研究プログラム | 東... 東洋経済オンラインより転載第1回研究会・岩井克人(東京財団名誉研究員)プレゼンテーション資料はこちらよりご覧になれます今後、数十年議論の対象になる重要な本「資本...

資産収入を得る努力をしないと人生が詰む

 給料による収入ではなく、資産の収入をメインにする考え方がFIREでいわれるところのFIの部分。経済的自立です。

 仕事を辞めることができるほどの多くの資産を築くことは現実的ではないので、FIREを目指すこと自体が無理ゲーのために諦めたくなるところですが、そこまでは達成できなかったとしても、少しでもFIに近づく努力をしないと、インフレの社会では詰みます。

子供には教育ではなく、資産を引き継がないと詰む時代が来る

 この人生が詰むというのが、自分の話だけならば良いのですが、日本が平和であれば、貧富が相続されます。なぜならば、思った以上に相続性は多くないからです。

 そもそも、超富裕層は法人などを使って最大限の節税を行います。そうではなく、一般的な富裕層が資産1億円を残して相続したとします。相続税は高い!半分は税金で持っていかれるとは言われますが、資産1億円程度であればそこまで高くはありません。

朝日新聞デジタル
相続財産1億円の相続税はいくら?計算方法や控除・特例などの節税対策:朝日新聞デジタル 相続税は、課税遺産総額によって税率が変わる「累進課税方式」で決まります。基礎控除や負債も考慮するため、高額な財産を相続しても課税されないケースも。1億円を相続し...

 資産1億円があっても、妻と子供一人であれば相続税の対象金額は5800万円のみ。これが2人で割ると2900万円が一人当たりの相続税の対象額になります。そして、相続税の税率は1000万円までは10%、3000万円までは15%。そのため、2900万円×15%=385万円

 資産1億円を妻と子供の二人で受け取り、それぞれが385万円づつを相続税で払う場合には、相続税の合計額は770万円です。半分は持っていかれると言われている相続税は、資産1億円程度であれば7.7%になるということです。多くの人は相続税の対象外で、そもそも9.6%程度の人しか相続税の対象になりません。

公益財団法人 生命保険文化センタ...
相続税がかかった人はどれくらいいる?|生活基盤の安定を図る生活設計|ひと目でわかる生活設計情報|公益... 公益財団法人生命保険文化センターは、公正・中立な立場で生活設計と生命保険に関する様々な情報を提供しています。(設立1976年)

 一方で、資産を受継いだ側が資産を運用に回すとします。実際に多くのお金持ちが投資をするので、現実的な対応です。これらが、年間リターン8%~10%の運用をされた場合ですが、72の法則を使うと、9年程度で資産は倍増します。

三井住友DSアセットマネジメント
MONEY INSIDER
S&P500、過去10年間の平均リターンは約10.2%。長期平均リターンをやや下回る 1957年3月から算出を開始したS&P500種株価指数のこれまでの年率リターンは10.7%でした。年ごとに大きくリターンが変動することはありますが、長期間投資を保有し続けると効...

 相続税は思ったほど取られず、これを次の世代が資産運用によって増やす。そうして、世代を追うごとに貧富の差を拡大させていきます。こうなってしまった未来の世界では、子供が頑張るよりも、いかに親の資産を受け継げるかが重要になり、もはや個人の努力では覆せないものになります。

 貧富の差が相続されるのです。従来の意味は「教育を受けれるかどうか」=「お金がなくても教育さえ受けさせることができれば人生を逆転できる」という話をされることが多かったのですが、日本の平和が続く場合には、そういう問題ではなくなる。

 親は子供に教育を行い、その後の収入は子供自身の努力で稼ぐという考え方でも、一部の人は多くの収入を得ることができるようになっても、多くの人は仕事にはつけても収入アップにはつながらない。だから、自分の努力で人生逆のチャンスはない。つまり、資産を相続できなければ子供が詰む。こういう時代が来てしまう可能性があるのです。

私たちが今できること、子供ではもはやできないこと

 現在を生きる私たちは、資産収入を作るために節約術や収入アップ、投資などの少し面倒だけどできなくはないことがあります。

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 収入アップ面では副業というよりは、夫婦共働き。正社員やフルタイムでの労働を目指すこと。給料が引くのであれば、人手不足の今は転職による収入アップも狙えます。

 節約に関しても、住宅や車、保険などの金額の多い部分の節約。携帯通信料などの生活に影響の少ない節約。ふるさと納税やiDeCoなどの活用など色々な節約術がありますが、ほとんどの人が利用していません。

 資産運用でいうと、今後は資産に関する課税などは強化されると思いますが、新NISAという素晴らしい投資システムが存在していますが、これをそもそも利用していない人が大多数です。

 これらは、今の渡した市ではできることです。一方で、10年や20年先だと手遅れになっている可能性もあることです。特に自分の子供の生きる世界では、既に貧富の差がつきすぎていて、もはや上記の対応をしたとしても、資産を増やすことができなくなっている可能性もあります。

 そう考えると、自分の将来のためだけではなく、子供の将来のためにも、資産収入を増やす努力をする必要がある時代に変わってきていると言えます。

まとめ

 今回は、供の教育について改めて考え直すについての記事を書きました。ポイントをまとめると下記の通りとなります。

  1. インフレの時代は貧富の差が拡大する時代
  2. 日本の平和が続く限り、貧富の差は相続される
  3. 今の私たちの小さな努力が、子供にとっての大きな結果をもたらす可能性がある

 つまり、子供の人生を快適にするにはいま私たちができる最善を尽くすことがおすすめです。そのため、*節約、収入アップ、投資しましょう!

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