配当収入によって所得が増えて児童手当がなくなるか気になる人は多いでしょう。今回は配当金が児童手当に影響するのかの記事を書きます。これで配当金の確定申告の最適な方法について知ることができます。
先に難しいですが結論をまとめておきます。
- 配当金の収入は「児童手当判定の所得に影響する」
- ただし、配当金を確定申告しない場合は影響しない
そして、配当金は確定申告をしないよりも多くの場合には「総合課税で確定申告する方がお得」な訳です。そのため、所得税の確定申告で配当金を総合課税にしたくなります。
児童手当
確定申告で合わせて気になるのが、児童手当について。給料が下記の金額を超えた場合にはどうしようもないのですが、配当金を総合課税にしたときには注意が必要です。区や市によって、大きくは変わらないと思います。
児童手当の所得制限はこちら
所得額で判定されますが、所得額という数値はわかりづらいので、収入で見ましょう。
収入が基準以下の場合で、かつそこに配当金の額面を足すと給与収入額が記載の値を超えてしまう。この場合に、児童手当が貰えないことになるので注意しましょう。
扶養親族等の数 | 判定所得額(目安) | 給与収入額(目安) |
---|---|---|
0人 | 6,300,000円 | 8,333,000円 |
1人 | 6,680,000円 | 8,756,000円 |
2人 | 7,060,000円 | 9,178,000円 |
3人 | 7,440,000円 | 9,600,000円 |
4人 | 7,820,000円 | 10,021,000円 |
5人 | 8,200,000円 | 10,421,000円 |
扶養親族1人増すごと | 380,000円加算 | - |
15歳未満の子供の扶養について
まず気になるのが、扶養親族などの数。
これに関して、まず15歳以下の子供はどうなんだろう?と。
結論としては、所得税の扶養控除の対象にはならないのですが、数に入ります。
そして、次に新しく生まれてくる赤ちゃんについて。
これは、年末時点で扶養している子供の数が基準。
つまり、生まれた年は既に判定後になるので、生まれた時は数に入りません。
翌年から数にカウントされます。
株の利益はは所得金額に入るのか?
そして最後に、配当金が所得金額に入るか?ですが・・・。その前に株の譲渡所得に関して。こちらは、いくらでも申告分離課税なので対象外です。
配当金の分
で、次に配当金は申告分離課税なら対象外・・・ですが、総合課税にすると対象になります。そして、ここからが気になっていたのが、確定申告で総合課税にして、住民税の申告不要届を出した場合。所得額は所得税基準なのか、住民税基準なのか。。
結論としては住民税を申告不要にしたならば、配当金を所得税の確定申告で総合課税にしても対象になりません。(住民税を申告不要にしないと対象になるとも言える)
配当金を総合課税にして申告するべきか?
2024年12月20日の追記です。ここが非常に重要なポイントになります。
住民税
配当金の住民税ですが、源泉徴収や申告分離課税の税率は5%です。一方で総合課税時の住民税率は10%ですが、国内の配当金に関しては2.8%の配当控除があり、結果としては7.2%になります。こちらは、所得にかかわらず住民税は一定で、税率が上がるだけなので住民税に関しては総合課税で確定申告しないほうが良いです。(2.2%の差です。)
所得税
所得税は収入から計算した課税対象の所得によって税率が5%~45%で変化します。そして、配当金の総合課税時には配当控除が10%入ります。つまり、下記のリストの課税所得330万円以下は税率が10%で、配当控除が効くと結果として0%になりますので、配当の所得税がなくなります。
一方で配当の源泉徴収や申告分離課税時の所得税率は15%です。この場合は配当控除などもありません。下記の表の税率から10%を引くのが所得税の税率になるので、所得900万円までの税率23%の場合には13%になり、所得税だけであれば2%減るのですが、住民税が2.2%増えるためトータルとしてはマイナスになります。
そのため、税率20%である所得695万円までであれば所得税が5%減って、住民税が2.2%増えるということでトータルでお得になります。つまり、課税所得695万を超えるかどうかが配当金を総合課税で申告するかの判断ポイントになります。
課税所得に関しては下記の表のとおりで、課税所得の列の金額に配当金額の税引き前の金額を足す。その合計額が695万円を超えなければ、配当金は総合課税で申告したほうが良いということになります。なお、株の利益である譲渡所得は分離されるので足さなくてよいです。
まとめ
つまり、給料の控除後の金額さえ超えていないなら、実質的に配当金を総合所得で申告しても児童手当は貰えます。
もちろん、課税所得が1000万を超えるようならば、そもそも配当金を総合課税にするより申告分離課税にした方が良いのでご注意を。。
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