配当生活をしたい人は多いでしょう。今回は、連続増配銘柄の記事を書きます。これで配当株投資の戦略に役立てることができます。
増配年数を見ても実態が見えるわけではない
大切なことは、連続増配年数ではなく増配傾向。連続増配株ランキングというものが、定期的に注目される。日本株でトップの花王が33年、SPKが25年、三菱HCキャピタルが24年と続く。
配当が下がったら意味がないから、配当が増え続ける銘柄を選ぶというのは分からなくもない。しかし、連続増配年数だけに注目して投資すると、そもそも配当が狙える銘柄であるのかという根本が危うい。
というのも、1年で配当が5円づつ上がり続ける銘柄と2年毎に10円づつ配当が上がり続ける銘柄があったとする。これらは長期的に見ればもらえる配当はほとんど差がない。しかし、連続増配年数でいうと片方は1年でもう片方は伸びる一方。単純に増配年数を見ているからこういうことになる。
減配は気になるとしても、実際に大事なのは増配し続けた年数ではなくて、長期的に見て配当金が増加傾向にあるのかどうか。配当が増えない年がたまにあると増配年数は止まるが、大勢に影響はない。
単純な増配年数には罠がいっぱいなので気をつけろ
また、増配年数を見ると、配当をもらうのが目的だとすると見落としがちな点がある。それは、配当利回り。そもそも配当が高い銘柄が増配してさらに伸びていくならば良いのですが、元々配当が少ない銘柄が少し増配し続けたとしても増配年数は増え続ける。
具体的には、配当利回りが1.5%程度の銘柄があったとする。この銘柄が毎年増配して、1年で0.01%程度の増配を10年間し続けたとして、その10年後の配当利回りは1.6%程度にしかならない。しかも、この間に株価が上がって居ようものならば、増配年数は高いが配当利回りは更に落ちて、1.4%以下になりかねません。
だから、増配年数以前に、配当狙いならばそもそも配当が高い銘柄を狙わないと意味がないよね、という事になります。さらに、増配年数よりも減配せずに安定的に配当が延びている傾向にあるか?が重要なわけです。これは、いわゆるスクリーニングで簡単に抽出できるものではなく、気になる銘柄の配当履歴を見て考えるしかないです。
つまり、購入する銘柄を結局のところは、個別にみていくしかないという事になります。銘柄選定に手を抜けば、痛い目にあいますので、そもそも個別株投資ではなく、インデックス投資をした方が期待値が高いでしょう。
それでも配当投資をしたい人が気を付けるべき点
そうは言っても、配当銘柄に投資をしたい人もいると思います。その場合の具体的にこの増配年数を参考にするという投資方法の場合には、最初は配当利回りで銘柄を見ていく。そして、業績などその他の要素も見たうえで、配当の履歴を見る。
この配当の履歴で、減配が目立つようであれば配当狙いの投資ならば避けるべき。さらに、配当狙いの投資であるならば、同じ株を持ち続けるだけで年々配当金が増えるのが理想だと思いますので、配当が増加傾向にあるかを見るのです。
連続増配年数がトップの花王は配当利回りが増加傾向で、これの理由は実際のところ株価が下がっているから。一方で2位のSPKと3位の三菱HCキャピタルなどは配当利回りが比較的高かった銘柄ですが、今は落ち着いている。配当利回りが上がることを狙うのであれば花王の方が成功のように見えますが、実際のところ株価が上がる方が良いので、この点でも増配によって長期的に配当利回りを上げる戦略は間違っているのだと思います。
まとめ
今回は、連続増配銘柄についての記事を書きました。ポイントをまとめると下記の通りとなります。
- 増配年数よりも増配傾向であるかが大事
- 増配年数で見ると実際の増配額が見えづらくなるので注意
- 結果的に配当利回りが上がることが良い訳でもない
つまり、配当株投資をするには増配年数ではなく増配傾向を見るのがおすすめです。そのため、そもそもの配当利回りを確認しましょう!
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